top of page

オアシスの解散 -ロック・オン・セーヌ-

映画「As It Was」でもスクリーンに映し出されているが、オアシス最後の地となったのは彼らの故郷イギリスではなく、フランスだった。

そこには数人の日本人も参加しており、今回はその中の1人に話を伺った。


司会「今回はお集まりいただきまして、ありがとうございます!

ブートレグの記事でも参加いただいてる須賀さんから、「09年のロック・オン・セーヌに行った友人がいる!」ということをお聞きしまして、今回森さんと、引き続き須賀さんにも来ていただきました!

わざわざありがとうございます!」


森(以下、M)「よろしくお願いします!

正直もう10年以上前の話なので、事細かには覚えていないのですが、頑張ります!」


須賀(以下、S)「あれからもう10年以上経っているんだね。

僕らが出会ったのも、約10年前なんですよね。」


司会「お2人はどのように出会ったんですか?」


S「実はこれが偶然の出会いで、きっかけはオアシス、というかリアムなんですよね。」


M「そうそう、本当に偶然だったね(笑)」


S「ご存知の通り、オアシス解散後にリアムは元メンバーを率いて、Beady Eyeというバンドを始めたんですけど、初お披露目となったグラスゴーのライブで出会いました(笑)」


M「そうそう、会場に行ったら先に並んでた人がアジア人に見えて、恐る恐る話しかけたら日本人で、しかも同い年で、同じように卒業旅行で来ていて、同じようにグラスゴーまでリアムを観に来ていたという偶然(笑)」


司会「それは凄い偶然だ(笑)」


S「その時にロック・オン・セーヌへ行ったという話を森くんから聞いたので、今回お声をかけさせていただきました。」


M「いやー、あのBeady Eyeのライブは本当に凄かったよね。

あんな荒くれたライブを観たことがない(笑)」


S「うん、そうだよね。

開演前に血だらけの男が、セキュリティエリアに投げ込まれたからね(笑)」

司会「さすがイギリスですね(笑)

それでは早速オアシス解散の場となった、ロック・オン・セーヌのお話をうかがっていきます!

この日の約1ヶ月前には、フジロックにオアシスが出演していますよね。

フジロックには行かなかったんですか?」


M「実は行ってないんですよ。

真面目な話になるんですけど、その時は大学3回生で、卒業後の進路は教師と決めていたんですよね。

社会科の教師を目指していたんですけど、世界史の教科書に出てくるような世界遺産を1度でいいから見てみたかったのと、1人旅をしてみたいという思いがあり、約6週間の海外旅行を計画しました。

旅の行程を練っている時に、ふと海外でオアシスを観たいなと思い、バンドのスケジュールを見たんですよ。

そうしたらなんと旅先のフランスでライブが行われるということで、すぐにフェスの公式HPにアクセスし、チケットを手に入れました。」


司会「行動派ですね!」


M「その時フジロック出演も発表されてはいたんですが、フランスで観るし、お金もなかったため、見送ってしまったんですよね。

当然のことながらあんなことになるとは全く思ってなく、この頃はオアシスに期待しかしていなかったです(笑)」


司会「なるほど(笑)

元々オアシスは好きだったんですか?」


M「高校生の時に友人にUKロックを薦められて、その時にオアシスを知り、そこからのめり込んでいきましたね。

洋楽自体はそこまで詳しくはないのですが、1つを深掘りするタイプなので、オアシスに熱中しました。

09年のインテックス大阪公演には行ってるんですよ。

結果的に、これが最初で最後のオアシスのライブでした。」


司会「ロック・オン・セーヌはフェスなので、もちろん色々なバンド、ミュージシャンが出演していたかと思いますが、何か観られましたか?」


M「正直このフェスには、オアシスのみを目当てに行ったと言っても過言ではないです。

ただ2番目に大きいステージのScene de la cascadeで演奏していたKeaneや、メインステージとなるGrande sceneで、オアシス前に演奏していたAmy Macdonaldや、Vampire Weekendを観ましたね。」


S「この数日前のV Festivalでオアシスがキャンセルをした時、Keaneが「Cast No Shadow」をカバーしたりして、オーディエンスを盛り上げてたと思うんだけど、そういうのは無かったの?」


M「うん、無かったね。

その時はまだオアシスは出る予定だったから(笑)」


S「あ、そっか(笑)」


司会「Vampire Weekendを観終わった後、ついにオアシスだ!という気持ちになったかと思うんですけど、その時の状況を教えてもらえますか?」

M「インテックスの時はステージからかなり遠い位置で観たので、その時はオアシスを間近で観たい!という気持ちがありました。

余裕を持ってメインステージに向かい、夕飯も食べずオアシスを待っていました。

グイグイとステージ前方に向かって行き、Vampire Weekendが終わった時には、リアム真ん前の7,8列目あたり、視界も良好な絶好のポジションを取って待機している状態でした。」


司会「そこからキャンセルのアナウンスがあるまでの過程は覚えていますか?」


M「ついにオアシスだー!と思って待っていたのですが、Vampire Weekendの機材が片付けられた後、ステージに違和感を覚えました。

オアシスの機材はいつになってもセッティングされず、何やらステージ上が慌ただしくなっていました。」


司会「うわー、この時点で、もうそういう状況だったんですね。

怖いですね。」


M「ただただオアシスのローディーと思われる人たちがステージ上を右往左往し、時間だけが過ぎていきました。」


司会「嫌な予感しかしない(笑)」


M「開演時刻は22:00だったのですが、当然のことながら一向にメンバーは現れなかったですね。

ただ時系列は忘れてしまったのですが、実はリアムがどこかのタイミングでステージを横切ったんですよ。」


司会「え、リアムがステージに出てきていたんですか?!」


M「本当に一瞬でしたけどね(笑)

それを見つけたファンたちは、歓声を上げていました。

本当かどうかは分からないのですが、後から聞いた話では、その時ノエルのギターを壊しに行くところだったようです…。」


司会「ノエル脱退の引き金と言われているあの事件ですね…。

今となっては貴重な体験なんですかね…。」


M「ステージ上では遂にセッティングが始まったのですが、用意されている機材はインテックスやDVDで観たオアシスのものとは違いました。

この後キャンセルの案内があったんですよね。

ステージの両サイドに大型スクリーンがあったのですが、そのスクリーンに『LE CONCERT D'OASIS EST ANNULE』と表示されたんです。」

司会「フランス語は分かったんですか?」


M「幸か不幸か、大学でフランス語専攻だったので、すぐに理解出来てしまいました。

「オアシスのコンサートは中止です」

まさかこんな時に役立つとは思いませんでした(笑)

その後、スタッフの方が出てきて、状況を説明し始めました。

「2人が喧嘩をしたため中止」「ノエルがこの後アナウンスをする」ということは聞き取れました。【※映画As It Wasにこの部分が収録されている】」

司会「本当にまさかの出来事でしたね。

周りの人達の反応はどうだったんですか?」


M「反応は様々でしたよ。

周りにいた人たちはフランス人ばかりだったのですが、目の前で起きている事態を上手く把握できていないというような反応がありましたね。

あとはブーイングをしている人、うなだれている人、愚痴を言っているカップル、前方にいた人は泣いてもいました。」


司会「森さんはどうだったんですか?」


M「オアシスのために数時間待っていたので残念な気持ちはあったのですが、不思議なことに怒りの感情は湧き上がりませんでした。

むしろ貴重な体験が出来たな、というポジティブな思考がその時点ではありましたよ(笑)

この後すぐにノエルが脱退し、解散にまで発展するとは、その時思ってなかったからかもしれませんが。」


司会「確かに貴重な体験ですね。

日本公演でリアムが途中でステージを降りる(00年、02年福岡公演)ということはありましたが、中止ということは無かったですからね。

そういえばオアシスが出なかったステージには、誰かが代わりに出たんですか?」


M「出ましたよ。

その日2度目のMadnessでした(笑)」


司会「なるほど、それはオアシスと機材が違うとすぐ分かるはずだ(笑)」


S「森くんってギャラガー兄弟の凄い場面に出くわすよね。」


M「何かあったっけ?」


S「あれだよ。

リアムが(自主規制)に行った時に、森くんもその場にいたんだよね?

リアムが(自主規制)を(自主規制)して、(自主規制)させたって話を聞いたけど。」


M「それは言っちゃダメなやつ(笑)」


司会「それは絶対に文章化出来ないやつ(笑)」


S「ごめんなさい(笑)」


司会「最後に万が一オアシスが再結成し、日本ではなく海外でライブをやると言ったら、森さんは行きますか?」


M「オアシスが解散して、社会人になって、大人への階段を着々と登ってはいるんですけど、やっぱり無理してでも行きたいですね。

オアシスは青春ですもん。

またキャンセルにならないことを祈りながら、観に行くと思いますよ!(笑)」


S「今度はBeady Eyeではなく、オアシスを一緒に観ましょう!」


司会「それではありがとうございました!」



----------------【今回のゲスト】-----------------


【森】

現在は夢を叶え、某自治体の教師として活躍中。学生時代は、世界遺産を見るためにヨーロッパを周遊した行動派。そしてオアシスのハプニングになぜか立ち会う幸運の持ち主。


【須賀】

オアシスのファンイベント"OASIS NIGHT NAGOYA"の主催者。

高校生の頃に名古屋でオアシスのライブを観て、感涙。

それからというもの、ブートレグの収集に熱を上げ、海外までギャラガー兄弟を追いかけている。

Comments


  • White Twitter Icon
  • White Instagram Icon
bottom of page