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ブートレグ談話 Morning Glory期 -Vol.1-

司会「それでは前回のDefinitely Maybe期に引き続き、今回は95年6月~96年12月までの「(What's the Story) Morning Glory?」(以下、MG)ツアーにおける、オアシスのブートレグ音源・映像について語っていきましょう。

何と言ってもこの時期には、とても有名な3つのライブがありますよね。

アールズ・コート、メイン・ロード、そしてネブワース!

まずはこの3つを掘り下げていきましょう!

時系列として、まずはアールズ・コートから、大石さんお願いします!」


大石(以下、O)「この時期は大規模ライブが数多くありますが、この3本は代表格ですよね!

では、アールズ・コート公演から行きましょう!

1995年10月、オアシスは2ndアルバム「MG」を発売し、イギリスを始め世界各国で大ヒットを記録する中、当時ヨーロッパ最大の公演に挑みます。

それが95年11月4日と5日、2日間連続で行われた、イギリス/アールズ・コート公演。

この公演前に神経衰弱で一時バンドを離脱していた、ベースのギグジー(ポール・マッギガン)も復帰し、万全な態勢でライブに臨んだ面々は、大成功を収めます。

ここの流れは、映画「スーパーソニック」でも触れられていますよね。

この歴史的公演は、オフィシャル映像の「There And Then」にも5曲収録されていますが、ブートレグとしては当時から長年に渡って、籠り気味のオーディエンス録音と、2階席から撮影したと思われるオーディエンス・ショットの映像が存在していました。

しかし2002年、ついにその全貌が明らかになります。それがオアシス専門のブートレグ・レーベル“Flashbulb”がフル音源として、初日「ONE MILE AWAY」と2日目「FAB 5+4 (EXTRAVAGANZA)」を発売したのです。」

小沢(以下、KO)「有名な公演にも関わらず、その時期まで出ていなかったんですね。

ちょっと意外です。

僕がブートレグを集め出した時には、当たり前のように聴けた音源だったので。」


須賀(以下、S)「そうそう、当たり前に市場に出回ってましたよね。

「FAB5+4」は、僕がブートレグを集め出した時には既に廃盤になっていて、高校生の時に「ONE MILE AWAY」を購入した記憶があります。」


O「ネブワースやメイン・ロードに比べると、世に出回り始めたのが遅かったんですよ。

初日は音源の元になったプロショットのフル映像もDVD-Rで発売(当時はダビングを相当重ねた映像のみだったが、後年マスター・テープの映像もネットに流出)されて、ようやくその大型ライブをフルで楽しめることになりました。


まず初日で伝説的なのが「Whatever」のアウトロ!リアムがビートルズの「Octopus's Garden」を歌い「Come on!」と大声を上げると、ノエルが続いて「All The Young Blues」を歌うという、この日限定の兄弟プレーが感動的ですね。」


KO「演奏面も美しいストリングスに音色を重ねて、それ以上に美しいフレーズをノエルが弾いてるんです。

ここも聴きどころですね!」


S「この兄弟プレーはアールズ・コート初日限定ですもんね。

そしてリアムが「Octopus's Garden」を唯一歌った日でもあります。

なんでもっとやらなかったんだろうか(笑)」


KO「そういえばアールズ・コート初日は、近年「ONE MILE AWAY」より良い音質の音源がネットで出回っていますよね。

新音質でのブートレグ化を期待しています。

昨年出たアナログブートレグ盤の「ALL YOUR DREAMS ARE MADE 」は、新音源での収録かと思って購入したら、何とも中途半端な音でした。」


O「余談ですが初日のブートレグのタイトルは“1マイル(約1.6キロ)先で、観客の熱狂が地震として計測された”という出来事から名付けられています。」


S「そのタイトルの由来を聞いた時、おかしいでしょ!って思いました(笑)

そういうエピソードを聞くと、更にオアシスに引き込まれていきますよね。」


O「また二日目は初日以上の完璧なサウンドボード・クオリティで登場し、観客の大合唱も含め、最高の二日間だったことを体感できる音源となっています。

二日目はアンコールで「Rock'n' Roll Star」(初日は披露せず)も演奏し、1stから2nd、たった2枚のアルバムで世界を席巻したオアシスの勢いを十二分に感じられる二日間となっています。

また数年前、YouTubeに関係者が録音していたと思われる初日のサウンドチェック音源も流出し、話題になりました。」

司会「アールズ・コート公演で個人的に好きなのは、ブートレグ・ビートルズとの共演です(笑)」


O「ブートレグ・ビートルズをアールズ・コートで気に入って、ネブワースの前座に起用したりしてましたね!」


司会「アールズ・コート2日目には、MG期では珍しい「Rock'n'Roll Star」で締めるのも印象的ですよね。」


O「アールズ・コートの3週間後、95年11月26日のNYNEX Arena公演でもRock'n'Roll Starで締めますが、それ以降、1999年まで封印されますからね。」


司会「そして次は故郷凱旋ライブとなるメイン・ロード公演でしょうか。」


O「そうですね。

アールズ・コート公演から約半年後、オアシスは故郷・マンチェスターへの凱旋公演として、当時1000万枚を超えるヒットを飛ばしていたMGを引っ提げ、1996年4月27日と28日にメイン・ロード・スタジアムにてライブを行います。

初日の4万枚のチケットは数時間で完売、2日目も同様という破竹の勢いのオアシスは、ますますスタジアム・バンドとしての風格を確立していきます。

この2日間の公演は、2日目がオフィシャル映像「There And Then」のメインとして使用されたものの、初日は未だにオフィシャルとして出たことはなく、両日ともにプロショットのフル映像が当時から流出(マスター・テープ落としも後年に流出)したため、長年様々な形でブートレグがリリースされてきました。

オーディエンス・ショットの映像も存在するものの、あまり流通していません。

中でも有名なのは、2日間を4枚組CDで収録した、Flashbulbの「THE ULTIMATE HOMECOMING TRIUMPH」。

2003年に発売された際は、映像のDVD-Rが2枚付いた初回限定版も発売されました。

それまでもKTSが出した「Maine Road」や、「Exile On Maine Road」というブートレグもありましたが、2日間まとめて聴けるという意味で、今でも重宝している作品です。

まず初日は、前述した未オフィシャルの映像からの音源落とし。

これが少々クセのある代物で、オープニングの「The Swamp Song」でキーボードの音だけが盛大に目立つ部分があったり、ボーンヘッドのギターの音がミックスに入っていないため聞こえない等、映像も音源も完璧ではないものの(「Wonderwall」では初めの30秒程がカット)とにかく絶好調なバンドの勢いがよく分かる公演。

ラストの「Cum On Feel The Noize」の演奏後のノエルの言う「To the greatest fans in the world, from the greatest band in the world」(世界一のバンドから、世界一のファンたちへ)というMCは感動的。


二日目も同じくフル音源を収録。

中でも有名な場面が「Whatever」で、リアムの歌い方に不満だったノエルに「じゃあお前が歌えよ」とケンカを始める場面。

ここで映像をよく見ると、当時のツアーに帯同(及びオフィシャル「Round Are Way」のハーモニカ等も担当)していた超一流のハーモニカ奏者、マーク・フェルサムが、態度の悪いリアムに向かって中指を立てるシーンが拝めます(笑)

音源的には初日よりも安定しており、なぜ二日目がオフィシャルとして使われたのかが分かる公演となっていますね。

二日間共に観客の盛り上がりは暴動レベルなので、ここにいた観客が本当に羨ましくなる、そんな公演です。」

S「僕が初めて買った公式DVDが「There And Then」なんですよね。

そこに収録されていたのが、アールズ・コートと、このメイン・ロードの映像でした。

「The Swamp Song」の演奏からライブが始まるこの時期ですが、何と言ってもリアムが曲間で登場する瞬間の、オーディエンスの盛り上がり。

若干23歳の若者が、本物のロックンロールスターに上り詰めたことが垣間見える瞬間とでも言えますね。

メイン・ロード初日には盛り上がりを見せるオーディエンスを、「Manchester, Maine Road,Mad for it!」と煽りまくるリアムに、一瞬で心を奪われました。

またメイン・ロード2日間でノエルが使用していたUnion Jack Sheratonは、使用時期の短さの割に、ノエルの象徴的なギターとして扱われていますよね。

やはりこのメイン・ロードは、オアシスファンにとって強烈な印象が残っている日なんだと思います。」


KO「そうそう、初日のリアム登場からの叫び、本当凄いですよね。」


S「あとメイン・ロードは何と言っても「Cum On Feel The Noize」が印象的ですね。

シングルB面そしてカバー曲、リアムボーカルはこの2日間のみしか演奏(口パク出演除く)していないのに、未だに人気曲なのは、当時のoasisの勢いがパッケージングされているからじゃないでしょうか。」


O「メインロードは「I Am the Walrus」に「Cum On Feel The Noize」と、カバー曲2連発で締めますからね。

これでもかと畳みかけてきます(笑)」


司会「そういえばメイン・ロードで、兄弟のケンカを初めて観ました。

本当にステージで兄弟喧嘩をするんだ?!って思いましたよ(笑)

あの喧嘩の原因ってハーモニカの入るタイミングが良くなくて、リアムもそれにつられ間違えて、ノエルが笑う、バカにするみたいな流れでしたっけ?」


O「英語の訛りが強すぎて、いまだに明確に聞き取れないんですが、リアムの歌の入り方が気に入らなかったのか、ノエルがガンつけたのに気付いて「何か文句あんのか?」という流れでケンカになってるみたいです。

リアムの入りが早すぎた説があったはずです。」


司会「ハーモニカミスから色々とおかしくなっているようにも見えますよね(笑)」


KO「やっぱりハーモニカを入れたの、フィーチャーされすぎで、失敗だったのではないでしょうか。

カメラで抜かれすぎだし(笑)」


O「ノエルが首を横に振って「これじゃダメなのかよ?」とリアムが返してますね(笑)


94年の12月ツアーあたりから、オーケストラをライブで加え始め、MG期のスタジアム公演では中盤ハーモニカをバリバリ入れてますが、まぁこの時だけなので貴重な演奏&映像かと(笑)

最近出てきたYouTubeの映像は、オフィシャルとブートレグの映像を繋いでるので、その部分にクオリティの差は出るのですが、見事な出来です。」


司会「なるほど。そんな編集された映像があるんですね。」


O「残念なのは、メインロードはTVカメラのみで撮影されてるので、DVDクオリティしか出ないことですね。

ブルーレイが出てもSD画質になるので、正直意味がないんですよ。」


司会「確かに映画「スーパーソニック」でも、メインロードの部分は、ネブワースに比べると画質が劣っていた気が…また観なくては!

MG期はやはり濃いライブが多い!

2公演で、かなり時間を使いましたね(笑)

少し休憩して、MG期で最も有名なネブワース公演について話しましょう!

それでは皆様、引き続きよろしくお願いします!」


ALL「よろしくお願いします!」



----------------【今回のゲスト】-----------------


【大石】

幼少期からの映画バカで、その影響で英語を覚え、気付けば海外ドラマや映画の字幕翻訳家/映画関連の通訳及びインタビュー等も。小学6年生の頃にオアシスと出会い、中学生でブートレグと出会ってからは、特にライブ音源について徹底的に研究し続ける日々。


【小沢】

音楽好きの会社員。UKやモッズを偏愛するあまり、“Face The Crowd”,IN CROWD,◎Into Tomorrow◎,oasis mania tokyoなど数々のイベントを主宰。


【須賀】

オアシスのファンイベント"OASIS NIGHT NAGOYA"の主催者。

高校生の頃に名古屋でオアシスのライブを観て、感涙。

それからというもの、ブートレグの収集に熱を上げ、海外までギャラガー兄弟を追いかけている。


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