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私達のオアシスやブートレグとの出会い

司会皆さん、お集まりいただきありがとうございます。オアシスのブートレグ(※注1)について語っていただく前に、オアシスやブートレグとの出会いについて、教えていただければと思います。」


大石(以下、O)「こんにちは、大石です。本業は映画や海外ドラマの字幕翻訳家をやっております。

オアシスのブートレグとの出会いですが、ほぼ明確に覚えてるのは、14歳だった98年の夏、神保町にある書店・三省堂の入口で行われていたCDセールでした。

既に小学生の頃からオアシスばかりを聴いていたので、【Oasis】の文字を見るなり、すぐにセール棚を漁ってました。」


司会小学生からオアシスを聴いていたんですか?!オアシスにハマったきっかけは何だったんですか?」


Oハマったキッカケは、レンタルビデオ店でオアシスのCDをレンタルしたことですかね。

元々映画バカだったので、そこから映画館へ行く度にHMVやタワーレコードへ足を運びはじめ、お小遣いでオアシスのCDを細々と買い始めてました。

そのコレクション中に出会ったのが、「ライブ・ブートレグ」という存在です。

そもそも「ブートレグ」という単語自体を知ったのも、だいぶ後になってからかと。

それまでは「ライブCD」と呼んでたし、最初は非公式だなんて思わなかったです。

初めて買った時は、「何これ?見たことないCDだぞ。」と思い、怪しすぎて30分くらい買うのを悩みましたが(笑)」


司会ちなみにその時に買ったブートレグのタイトルは覚えていますか?」


Oこの機会を逃したら買えないかも?と思い、確か1980円くらいで【Scotland Forever】というブートレグを買った記憶があります。

そして家に帰って再生するなり、ライブ音源の素晴らしさにハマり、翌々日にも同じ三省堂のCDセールに行って、別のブートレグを買った覚えがありますね。

そして「他にライブ音源を手に入れる方法はないか?」と思い、当時読み始めていた雑誌「ロッキング・オン」の真ん中あたりにブートレグ紹介ページがあり、そこから西新宿の存在を知り、通い始めました。


司会「ロッキング・オンにブートレグを紹介するページなんてあったんですか?!」


O紹介ではなくて、ブートレグの販売店が誌面に広告を出してたんです。それも数ページに渡ってデカデカと。

しかも当時VHSが一本8千円とかしてたんですよ(笑)」

※参考ブログ


司会「確かに雑誌で広告を見かけたことがありますね!」


O「当時は中学生だったので、勿論お小遣いも少なく、数ヵ月に一回しか西新宿へ行けなかったんですけどね。

2000年の正月に、当時あったブートビデオ店AIRSで、1996年メインロード公演2日目の完全版VHSを、お年玉5千円を使って買って、両親に呆れられた覚えがあります(笑)

メインロード2日目完全版のVHSは衝撃的でした。「There And Then」の完全版、という情報以外を知らずに見たら、ギャラガー兄弟がステージ上で喧嘩をし出したし(笑)

そして2000年3月、中学3年の時に初めて生でオアシスのライブを横浜アリーナで見ました。

こんな流れでオアシスにハマった次第です。

西新宿のブートレグ界隈や、ロッキング・オンのブートページも盛り上がっていた時代でした。」


司会「ネットが普及した後だと、何か環境は変わりましたか?」


O2000年以降ですかね、ネットが徐々に普及して「ブートレグ」に関しても情報が収集出来るようになったのは。

それまではブートレグ屋の店員さんや、店頭で見かけるPOPから情報を得ていましたね。

ちなみにネット回線の普及というと、2001年のオアシス・フジロック公演の生中継を、映像がカクカクになりながら、ISDN回線でほぼ見れない状態で生鑑賞したのも覚えてます。」


司会「近年は大分増えましたけど、当時からフジロックの生中継があったんですね!初めて知りました。

では小沢さん、出会いとか色々教えてもらえますか。」


小沢(以下KO)「どうも、小沢です。

僕がオアシスと出会った日は、はっきり覚えていて2005年1月26日でした。

それまでビートルズは大好きだったのですが、オアシスは全く聴いたことがありませんでした。一曲すら聴いたことなかったですし、知りもしなかったです。

その日に僕は、オアシスのファーストアルバムを買いました。

『ついに本家を超えた!?自称“レノンの生まれ変わり”、息子の名はレノン君。オアシスのボーカル、リアム・ギャラガー』 とビートルズクラブの会報に書いてあって、UKの老舗音楽誌Qのランキングで『リボルバーをオアシスの1stアルバムが超えて一位』って記事で、舐めんな!聴いてやろう!みたいな感じでした。

聴いてみたら、リアムの声はジョン・レノンの声に通じるものがあって、だからハマれたんだと思います。リアムはルックスも、ジョンを強烈に意識していたというのもありますね。

その後はもうオアシスにのめり込んでしまい、ドント・ビリーヴ・ザ・トゥルース最高、ザック最高、サマソニ最高、単独最高と来て、年が明けて家にPCが来ました。

そして、インターネットでサマソニの映像がDVDで存在することを知りました。

確か、ヤフオクで買ったのかな?

rozyから出ていたスクリーンショットのDVDの、コピー盤でした。

未だに持っているけど、メニューもチャプターも無しの、雑なコピー盤で10年以上観てはいないですけど。

音源の方は、地元のディスクユニオンで、よくわからないけどジャケ買いしたBLACK ON WHITEが最初でした。これを買ったのは大正解でした。再生した時の興奮は今でも思い出せます。

BLACK ON WHITEは、最後の方に入ってるWhateverがオリジナルを明らかに超えているのを感じて。リアムがオリジナルよりかっこいい声で歌っていて、違う曲をアウトロで歌っていたんですよね。」

司会「Whateverのアウトロ、僕も初めて聴いた時、何だこれはと思いました!ノエルがAll The Young Dudesを歌ってたから、David Bowieの存在を知ったかもしれません。オアシスがリスペクトしてる、もしくはルーツ的な音楽に触れられるのもブートの良いところだと思いますね。」


KO「ブートレグは、西新宿に沢山売っているらしいと、その後インターネットで知って、通い始めました。最初は定番のサウンドボード、flashbulbを買っていて、稼いだアルバイト代を注ぎ込んでいましたね。」


司会「ビートルズやオアシス以外は聴いてなかったんですか?」


KO「ビートルズ「1」の前は、音楽もほとんど聴いていなかったですね。

ビートルズに傾倒しつつあった野球少年が、大学入学前にオアシスを知った感じですね。

中学の時に先輩が合唱祭でLet It Beを歌っていて、ちょうどそんなタイミングで「1」が出て、親に買ってもらいました。

しばらくはそればかり聴いていましたね。

高校2年の時にNakedが出て、そこでAcross the UniverseやI've Got A Feelingでジョンの声の特別さを感じました。

高校3年で野球部を引退してから、ビートルズのオリジナルアルバムに本格的に手を出すようになり、こんな人生になりました(笑)」


司会「ありがとうございました!じゃあ須賀さんはどうでしょう?」


須賀(以下、S)「お2人とは住んでいる環境が違って、愛知の片田舎出身。

洋楽を聴いている人すらいない地域でしたね。

オアシスを知ったのは、03年ですね。当時中学3年生でした。

元々映画が好きで、洋楽にも興味を持ち始めました。

ただその頃はオアシスではなく、流行っていたバックストリート・ボーイズやインシンク、ブルーといった男性アイドルグループばかりを聴いていましたけど。

その後、何か新しい音楽を聴いてみるかということで、ソニーが出していたMAX BEST 2というオムニバスアルバムを買いました。色々なミュージシャンの曲が聴けるのでお得だと思って買いましたね。

その中にStand By Meが入っていたんですけど、当時の自分は、この曲=ベン・E・キングだと思っていて、その曲をオアシスというバンドがカバーをしていると思っていました(笑)

聴いてみたら全く違う曲というオチでした。

しかし何か惹きつけられるものがありまして、少しずつオアシスに興味を持ち始めました。

まずは地元のツタヤで、オアシスのCDを借りようと思ったんですけど、マスタープランに「ベスト盤」というシールが貼ってあったので、とりあえずベストから行くかと思い、借りました。

マスタープランがB面集ということを知ったのは数ヶ月後でしたけど(笑)」


司会今思えば、それも"ベスト"なB面集ですけどね(笑)」


S「それからはオアシスに傾倒して、前述のプライベートビデオ=ブートレグを雑誌の広告で知りました。

AIRSの広告を雑誌で初めて見たのかな?その頃はドント・ビリーヴ・ザ・トゥルースのツアーが始まったばかりの頃で、ハマースミスのAUDショットを買ったんですよ。

正直映像的には何これ?って思ったんですけど、客の熱量が凄くて感動しました。

観客の大合唱でボーカルの声が聞こえないみたいな。

その後に、今も有名なシティ・オブ・マンチェスターの映像を観て、フェンスを壊したオーディエンスに感銘を受けて、オアシスにのめり込みましたね。

その頃、ちょうどサマソニイヴというものが地元・名古屋で開催されるということを中日新聞の広告欄で知りまして、これは行かないといけないと思い、親にお願いをしてチケットを買ってもらいました。

後ろのブロックでしたけど、あの時にオアシスを観た感動は今でも忘れられません。」


司会「新聞の広告欄でライブの存在を知るって、当時らしい話ですね(笑)」


S「初めてオアシスを観たのが高校2年生の時で、この後初めて音源のブートレグを買いました。

それまではブートレグ=映像という認識でしたね。

初めて買ったのはJ.I.L.Yで、ちょうど再発されたタイミングで、簡単には手に入ったんですよね。だけど1枚5千円という金額に腰が引けましたけど(笑)

オーディエンスに全編を歌わせるWonderwallに感動して、通学時間はこれ一曲ばっかり聴いてました。

それからは大石さんや、小沢さんにSNSで出会って話を聞いたり、ブート屋のHPとかで情報を得てました。」


O「須賀くん、1つ訂正をさせてもらっていいかな?」


S「何でしょう?」


O「須賀くんが初めて買ったというハマースミスのブートレグなんだけど、あれはハマースミスでのライブじゃないという説があるんだよ(笑)」


S「ええ?!(笑)購入して15年目で初めて知りました!」


O「やっぱり当時の情報というのは誤りがかなりあって、他のブートレグでもそういうのは散見されるんですよね。僕が初めて買ったScotland Foreverに記載されているクレジットも、色々と間違っているしね。」


S「なるほど。」


司会「皆さん、ありがとうございます!

もう少しだけ質問をさせてください!

オアシス以外のブートレグは集めていましたか?

それと今一度オアシスのブートレグの、他にはない魅力を教えてください!」


O「当時はオアシス一本で、オアシスと共演した時のコールドプレイやトラヴィスのブートレグがあれば入手していた程度ですね。

2000年代中盤まではオアシスしかブートは収集してませんでしたね。」


S「自分もほぼオアシスのみですね。名古屋レインボーホールのコールドプレイ等、自分が行った公演のブートレグを買っていた程度です。」


O「ビートルズ、レッド・ツェッペリン、ピンク・フロイド、クイーンなどのバンドは音源が豊富で、今でも重宝されてますよね。元メジャーリーガーのランディ・ジョンソンや、レッド・ツェッペリンのギタリストであるジミー・ペイジも、ブートレグを求めて西新宿に来ていました。

ただ90年代のバンドでブートレグが豊富なバンドは、オアシスのみと言っても過言ではないんですよ。ブリットポップ以降も含め、オアシスがクオリティの面も含めてトップです。今でもブートレグでしか聴けない公演もありますし、まだまだ発掘のしがいのあるバンドです。」


KO「オアシスのブートレグは、ジャケットが格好良い点が惹かれますね。

それとリアムの調子・機嫌によって、同じセットリストでも、ライブの雰囲気自体が変わってくるので、生き物感が凄いです。

バンドメンバーの変遷でバンドサウンドもそれに連れて変わったり、リアムの声が徐々に変わっていくのも、ブートレグですとハッキリ分かります。

それと伝説的なMCも多かったり、観客の合唱が収録されているから、その場にトリップしている感覚に陥る点が魅力的ですね。」


O「そうそう、MCや、リアムの調子で、これは何年の、どこの公演の音源だって分かっちゃいます(笑)

そういえばネブワースの初日と2日目とか、ドキュメンタリー映画の『スーパーソニック』では、ステージの登場シーンは初日、「This is history!」のMC部分のみ2日目という、絶妙な編集をやってましたね(笑)」


S「確かにお2人の言う通り、オアシスの歴史が分かるのがブートレグの魅力ですね。自分が行っていない来日公演のブートレグでは、その時の雰囲気が伝わってきて、特に初来日ツアーのブートレグではバンドが未完成の状態で、荒々しい部分とかを感じることが出来ます。」


KO「オフィシャルのCDでは聴けないバンドのテンションや、勢いを感じられるのが素晴らしい点だと思います。

たぶんですけど、オアシスのブートを聴いている人たちは、オフィシャルの音源より、ライブ音源にバンドの魅力を感じていると思うんですよ。

ファミリアー・トゥ・ミリオンズや、タイムフライズのボーナスCD、シングルCDのカップリングで断片的に感じていたライブの魅力を、どっぷり味わえるのがブートレグなんだと思います。」


O「それに未だオフィシャルで全編が出ていない、アールズ・コートやメイン・ロード、ネブワース、G-MEX等、数々の名演を楽しめるのも特徴ですね。

あとは97年パリ公演のように、泥酔したリアムの失敗とかもブートレグには詰まってますからね(笑)」


司会「(笑)皆さん、ありがとうございました!

では次回から、活動期毎のブートレグについて、お話しいただきます!」


ALL「引き続きよろしくお願いします!」


※注1 アーティストの公式ディスコグラフィー以外の物を指す商品。言い換えれば、アーティスト非公認商品。形態としてはCDやDVD、昔ならVHSが主。ライブ音源やリハーサル音源など、多岐に渡り数多く存在。



-----------------【今回のゲスト】-----------------


【大石】

幼少期からの映画バカで、その影響で英語を覚え、気付けば海外ドラマや映画の字幕翻訳家/映画関連の通訳及びインタビュー等も。小学6年生の頃にオアシスと出会い、中学生でブートレグと出会ってからは、特にライブ音源について徹底的に研究し続ける日々。


【小沢】

音楽好きの会社員。UKやモッズを偏愛するあまり、“Face The Crowd”,IN CROWD,◎Into Tomorrow◎,oasis mania tokyoなど数々のイベントを主宰。


【須賀】

オアシスのファンイベント"OASIS NIGHT NAGOYA"の主催者。

高校生の頃に名古屋でオアシスのライブを観て、感涙。

それからというもの、ブートレグの収集に熱を上げ、海外までギャラガー兄弟を追いかけている。

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